発電所の下に家を建てたい

自宅の屋根に太陽光パネルを設置するにあたり検討したことを備忘録。(新築時)

まえがき

太陽光パネルのイメージは「ECOだとか、儲かるだとか」が強いイメージがありますが、俺氏の場合は特にそういうことを考えていた訳ではなく、単純に「電気を自分でまかないたい。利用できるものは利用したい。」という考えです。独立していても生活できる環境に憧れているので、単に電力会社から電気を買う、水道局から水を買うというような事をなくしたいという事です。なんなら食べ物も自前の畑でまかないたいと思っているくらいです。ですが、市街地に住んでいますのでそれは夢のまた夢の話な訳ですが、「その生活に少しでも近づけるのでは?」と密かに楽しみを設けたかったという事です。”市街地サバイバー”としての第一歩です。もちろん多額の費用がかかる事なので投資としての視点もしっかりと考慮していきたいと思いますし、あわよくば儲かるのであれば願ったり叶ったりです。昨今の異常気象や災害でいつ何時 ”市街地サバイバー” となってしまうのかわからないご時世。備えあれば憂いなしという事で自活ができればそれは嬉しい限りです。

それでは検討内容です。

電力買取制度を理解する

まずは電力買取制度を理解することから始めました。

買取制度は大きく分けて2種類存在します。発電容量の違いにより区分されており家庭用と産業用があります。※2017年当時基準

10kW未満
主に家庭用→電力余剰買取制度→買取期間10年保証→売電単価30円(kW/h)

10kW以上
主に産業用→全量買取制度→買取期間20年保証→売電単価21円(kW/h)

※電力会社によっては10kW以上でも余剰買取制度が適用可能なところもあり。

余剰買取制度とは太陽光発電した分を自家消費しつつ余った分だけを売却に回す。全量買取制度とは発電した電力を全て売却する制度の事です。余剰買取制度は買取期間が短い分単価が高く、全量買取制度は買取期間が長い分単価が安いという事がわかります。産業用という名前がついていますが一般家庭でも利用することは可能です。したがって一般家庭で全量買取制度を利用したい、または20年の買取保証を利用したい場合はいずれの場合でも10kW以上の積載が必要です。

大手ハウスメーカーを研究する

次は大手ハウスメーカーの住宅ソーラー事情を調査してみました。

新築時における太陽光発電システムの供給方法とその特徴

提携型

ハウスメーカーの多くは太陽光発電を付けたい旨を伝えると「こちらから選べますよ」と回答されます。どうやら提携先業者が扱うパネルメーカーの中から選択させるというやり方を取っている様です。例えばタマホームを例にあげると「京セラ、XSOL、ソーラーパートナーズの中から選べます。」のような感じです。メリットは新築時の設計段階で積載量や日当たりを考慮した屋根設計ができることでしょうか、あとは一括施工+保証的なところです。デメリットはメーカーの選択肢が狭められてしまうことです。パネル、パワコンのスペックはそのメーカーに依存してしまいます。このタイプは考えようによっては家を建ててしまった後に自分で業者を探してパネル設置するのと同じようなものと感じますね。

自社完結型

大手メーカーになると自前で専用のシステムを持っている自社完結型をとっているところがあります。以下に例をあげてみます。

イシンホーム

イシンホームの場合を見てみましょう。イシンホームはローン0円住宅と謳われているようにソーラー売電に力を入れているメーカーです。イシンはSIソーラーを子会社に持っておりパネルはアメリカのサンパワーの物を使用、パワコンはドイツ製のSMA社の物を使用しています。これらのメーカーはスペックと信頼性に定評があり特にSMAのパワコンは変換効率が他にくらべ多少優れている特徴を持ちます。他に出さないことを条件に商流ごと取り囲むという方法で自社完結を実現しているようです。つまりイシンで建てないとこのシステムは手に入らないというのが我々の弱みです。他のメリットは屋根一体型で形成できるので屋根全面張りが非常に美しく仕上がります。

一条工務店

一条では夢発電システムというブランドでアピールを行っています。営業マンに伺ってみるとどうやらアルバックが持っているソーラー部門を使って一条用にフィリピンで製造しているとの事。グループ会社を通して独自の流通路が存在し自己完結を実現しているようです。一条でメリットを考えるとすればイシンと同じく屋根が美しく仕上がる事でしょう。それ以外は特に優越性は感じません。パネルスペックも普通ですし特にグッと来るものはありませんでした。そしてこの夢発電について特に慎重に判断しなければならない事が一つあります。契約プランの問題。「夢トク」プランというプランが存在するのですが、このプランは注意が必要です。初期投資0で大容量パネルが乗せたいだけ乗せられるというコンセプトですがこのシステムは住宅ローンとは別の専用ローンを組み売電利益からペイされるという仕組みをとります。このローンは住宅ローンよりも高い金利を払わなければならず10年間は売電による利益が得られません。つまり10年間は屋根貸しビシネスに近い形態と捉えることができ、売電益で投資回収を行いながら金利できっちり搾取するという仕組みと言えます。ちなみにイシンも同様なプランが存在します。

積水ハウス

積水ハウスは少しおもしろい方法で太陽光発電をアピールしています。瓦一体型太陽光パネルというものを採用しています。屋根の形に左右されない用に最大面積でパネルが敷け、且つ見た目が美しいという特徴を持つというコンセプト。一見普通の瓦屋根に見えますが光が当たるとパネル部が段々状に黒く浮かんで見えてきます。ステルス性が高く、気にして見ないと気づかないレベルです。パネルメーカーはシャープ・カネカから選べる仕様で違いはシャープが単結晶、カネカが薄膜シリコン。メリットはステルス性ですが、一般の太陽光パネルより発電効率が5~7%低く発電効率の悪さから投資コストに対し利回りが悪いというデメリットを抱えている様です。

大手の投資コストはいくら?

様々なところに聞いて回ってみたのですがどのメーカーも口を揃えたかのように「10kwでおおよそ300万程度です」と言ってきます。(2017年当時)ほとんどの営業マンは投資コストについてはあまり言及せず、特徴や良さを語ってくるだけで「やりたければやればいいじゃないですか?」というスタンスに見受けられました。営業マン自身にあまり知識が無く興味がないのでススメてこない場合もありますが、逆に内情を知りすぎていてススメてこないという場合もあります。一方でこちらが興味を示すと”うちはスペックを比較して頂ければ安いほうなのでオススメです”とガンガン押してくる方もいます。

10kw300万を単純計算でkw単価は30万という事になりますが、東京20年売電でざっくり利回り計算をすると6~7%ほどでしょうか。私の感覚だと高いのかなぁと感じます。ほとんどの人は家という大金の一部に霞んで「まぁ、そんなもんか」と契約していくのでしょうが、というか、そこで建てようと思うと必然的にそうなってしまうものなのでしょう。大手メーカーは提携ないしは自社完結で実質正味が不明で材料費は安く仕入れているでしょうがマージンがそれなりのボリュームで乗っているのではないかと思います。無論、商売ですし、購入者もそれで満足されていれば全く問題がないのですが、それでは面白くないなぁと思ってしまった俺氏の罪深いところです。

さて俺氏はどうしよう

→これらの情報を元に実際に私が行った選択を一旦まとめてみましょう。

買取制度に関して
単価は安いが20年買取固定できる10kW以上を狙う方が良いと考えました。理由は単に10kW以上載せたかったからと、20年買取してもらえるという時間的な余裕をもたせたかったから。

私の場合は一般的なハウスビルダーでの注文住宅ですのでソーラーにおいてもパネル・パワコンさらに施工業者の選択も自由にできました。その強みを活かして最初から家自体に予め日当たり・パネル積載量を考慮した屋根設計を行い、パネルは任意の物を後付という形をとりました。取り付けの方法も少し工夫をいれました。コストダウン案としてビルダーがマージンを取らないかわりに部材選定、見積もり、打ち合わせ、書類作成等を私ががやるという条件で施工業者と直接やり取りを行うという方法をとりました。少し特殊なケースかもしれませんが注文住宅ではそのような事も可能であるという事です。ただし、これを行うためにはソーラー発電システムに関してそれなりの知識を持つ覚悟も必要です。

→さて、部材は何を選んだのか以下に検討内容を書いていきたいと思います。

パネルとパワコンの選定

ソーラーパネルと一言で言っても海外製や国内製、単結晶、多結晶、CIS、HITと種類やメーカーが無数に存在します。私が調べた主なメーカーとパネルの種類と特徴を挙げておこうと思います。

主なパネル製造メーカー

国内
東芝、シャープ、京セラ、三菱電機、パナソニック、ソーラーフロンティア、長州産業、カネカ

海外
Qセルズ、サンパワー、カナディアンソーラー、トリナソーラー、サンテック、インリーソーラー、

パネルの種類と特徴

単結晶シリコン
シリコン(ケイ素)の単一結晶で作られたパネル。結晶構造が規則的に並んでいるため発電効率が良いとされる。デメリットは価格が少々高い。

多結晶シリコン
バルクのシリコンを集めて化合物を加え結晶化したパネル。結晶構造が部分的に不規則に並んでいるため単結晶よりも発電効率が劣るとされる。ただし経年劣化は単結晶よりも少ない。メリットは価格が安価。住宅用では最も普及されている。

アモルファス(非結晶)シリコン
薄膜で形成できるので軽量低コスト。高温時出力低下が小さく結晶系に比べ温度特性に優れている。ただし、シリコン構造が不規則に並んでいるため電効率がかなり見劣る。さらに経年劣化による発電効率ダウン幅も大きい。

CIS
銅、インジウム、セレンのからできた化合物半導体を利用したパネル。導入初期は光照射効果により想定より高出力で影の影響も受けにくく温度特性が良いという特徴を持つ。このためシステム容量に比べ実発電量が高いという表現がされる。導入コストも比較的安い。ソーラーフロンティアがCISの導入に積極的。

HIT
結晶シリコンと非結晶シリコンをうまく組み合わせヘテロ接合を行った構造体を持つパネル。最も変換効率が高く経年劣化による発電効率ダウン幅が少ない。さらに優れた温度特性を持つ。スペック的には最も良いとされる部類。弱点は高コストであること。パナソニックHITが最も有名。続いて長州産業のプレミアムブルーもこれに値する。

海外メーカーを使うメリットはとにかく低コストで仕上がることです。当然利回りも良くなります。安い要因としては多結晶やアモルファスのパネルを使用している事が多い事と生産コスト自体が安いからです。(特に中国系)デメリットは品質や保証条件が国内に比べて不安が残る事でしょう。保証内容が良さそうに見えてもメーカー自体の倒産リスクや事業再編などの不安が強く残ります。国内メーカーを選ぶメリットは信頼性や性能面が優れている事が多く、サービスや保証内容も無難で安心できる事でしょう。デメリットはコスト的に海外製に負けてしまう事。

主なパワコン製造メーカー

東芝 パナソニック シャープ 京セラ 三菱電機 オムロン 安川電機 田淵電機 新電源 ダイヤモンド電機 SMA(ドイツ)

特段コストにこだわらなければ、パワコンは国内メーカーの物を選ぶ方がよいと感じました。安いからと言って海外製のあまり見慣れないメーカーの物を使うにはリスクが伴いますね。特にパワコンは大きな電力を扱うパーツなので信頼性と堅牢性が将来的に見てもキモとなってくると思ったからです。メーカー別に比較する場合に僕が特に注視した項目は変換効率と保証内容、あとは大きさと容量のラインナップです。

俺氏の最終選択

→これらの情報をもとに最終的に俺氏が選んだパネルとパワコンを発表したいと思います。

スペック的にもすばらしく希望を込めてHITと行きたいところでしたが、見積もりを取ってみるとそれなりの金額になってしまいました。(予算が合えば間違いなくこれにしていました。)技術的には夢がありとても魅力的だけどいかんせんイニシャルコストが高い。これでは割に合いませんのでHIT案は却下されバランス性に優れた部材を選定していくことにしました。

ひとまず、テーマは 「投資コストに対する利回の良さと品質のバランス」 に変更し検討。

中国製の多結晶パネルとパワコンを採用すれば最も低コスト高利回りで実現できるでしょうが、新築個人宅に積載するのは恐ろしすぎて手を出したくないという気持ちが勝ります。海外製パネルに日本製パワコンという選択肢も考えましたが、品質とサポート面を考慮するとまだ不安の懸念は拭えませんので、ここは日本製で固めて行く方向性で決定。

悩んだ結果最終的に選んだメーカーは長州産業(CIC)

パネルとパワコン一式を長州産業で合わせることにしました。

あまり聞き慣れないメーカーと思われるかもしれませんが、列記とした国内メーカーで山口県に本社があり設計開発から製造までを国内で行っています。このメーカーの良かったところは保証内容が優れている点。通常パワコンの保証は10年が一般的と言われているがここは15年の保証が付いています。その他モジュール出力保証25年、施工保証10年と充実。技術面も信頼できそうで、パナのHITをここでOEM製造しているとのこと。パナとは違うがほぼ同じであるリアエミッタヘテロ構造のプレミアムブルー(Gシリーズ)という商品を製造販売しています。このように性能・品質・保証も申し分なく信頼と実績のあるメーカーである事がわかったのでこちらにすることに決定しました。

さて、気になるコストは!?

様々な組み合わせで見積もりを取ってみましたが、一番コストメリットが取れたのはビルダーズモデルのパネルを選択した時。ビルダーズモデルとはその名の通り工務店向けに専用で卸しているモデルのことで専用の品番が存在します。一般品との違いは多少発電効率が劣る事です。しかし費用対効果で考えると圧倒的にメリットが出ますので一般品との優位性は高いと思います。この品番にたどり着くまでに苦労しました。

まとめ

詳しい総工費は下記内容で想像してみて下さい。結構いい価格出たんじゃないでしょうか。

主要スペック

総出力10kw 全量買取 予想発電量11000kwh 売電単価18円/kwh(2018年)

部材・工事費込み税込価格21万円/kw 予想利回り9.4%

パネル:単結晶
パワコン:室内用
カラーユニットで常時モニタリング可能

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パネル 長州産業 CS-250K11H 40枚 (250W×40=10kW)

パワコン 長州産業 SSITL55A6CS 2台 (5kWごとに分離)

カラー表示ユニット 長州産業 CNCS-P03 1台

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10kWにしたのは屋根の面積上上限値。パネルはビルダーズモデル品番を使用。日当たり条件は遮蔽物による影はほぼ無く良好。2017年の申請に間に合わなかったので売電単価は18円、利回りが10%以上は夢となってしまいましたがオール国内製でやれるだけのことができたので満足。

あなたの参考になればラッキーと思いたい。

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